19 教養としての「地政学」入門
地政学についての書籍は本当に多くなっているが、出口さんはどのような切り口で書かれるのだろうと思って購入。
内容としては出口さんらしい、世界史の切り口から描かれている書籍でした。
古代エジプト・メソポタミアの比較に始まり、海・陸の地政学について述べられていくのですが、1番面白かったのはやはり日本の地政学。
自分の備忘のためにもまとめます。
1.日本の現状
(1)日本の地政学的現状→隣国と仲が悪い
日本はロシア・北朝鮮・韓国・中国・台湾全ての国と領土の懸念を抱えている
→しかし日本は落ち着いている。アメリカと軍事同盟を結んでいるから?
いずれにせよ周囲全てと火種を抱えているのは異常事態。
(2)日本の地政学的位置→ロシア・中国が太平洋に出ようとすると邪魔
⇨(1)(2)より日本は周囲とトラブルの火種を抱えており大陸2大国家が太平洋に出る障害となる国
2.どこの国と組む?
★大前提
日本は経済大国であり小国に安全保障を求めるのは無理。
(1)アメリカ
1番現実的。国民感情も悪くない。
(2)中国
アメリカが最も嫌がる。GDPの2位と3位の連合だから。中国に対してのメリットになる。
しかし国民感情が悪い。政治体制も違う。
現実的に難しい。
(3)EU
国民感情は悪くない。
しかし軍事力がアメリカほど強大ではない。
また、遠い。何よりEUにメリットがない。
↓
結局アメリカに落ち着く。
(4)日本ファースト
核の保有・軍事力の増強が出来るかどうか。
しかし軍事予算を組むことは困難。
高齢化・経済成長遅い・大量の借金。お金を軍事費に割けない。
軍事化すると大国から非難がくる可能性が非常に高い。
3.アメリカ側から見る
(1)日本の優先順位は下がっている
冷戦が終わり日本の不沈空母の価値が低下した。
(2)アメリカは自国ファーストでも生きていける
アメリカは広く、石油生産があり、人口も増えている。
(3)同盟候補国は多くある
日本である必要はない。
今は不仲だが中国でさえ可能性はある。
理由は留学生。中国からアメリカに学びに行く学生は非常に多い。
↓
対等に話し合うことは出来る?
4.日本がやるべきこと
グローバリゼーションへの貢献が不可欠。
世界から必要とされる国になることが唯一の道。
日本は製造業のモノづくりに固執しすぎ、新しい産業を生み出せていない。
GAFAを生み出すのに必要なのは女性・ダイバーシティ・高学歴(人・本・旅)。
地政学で日本を考えると、非常に難しい立場にいることが分かります。
このリアルをもっと多くの人に知ってもらいたい。
世界に貢献出来る国になるよう僕も日々学ばなければ。