みーの読書記録

サラリーマン。キャリア、生き方の試行錯誤の記録です。読書中心。

12『本を読む人だけが手にするもの』 藤原和博

読書論については定期的に購入してしまう。

リクルートから義務教育初の民間校長となった藤原和博さん。

自分の読書について再確認できる。

 

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序章

「それぞれ一人一人」の幸福をつかむための軸となる教養は、自分で獲得しなければならない。そのためには読書が欠かせない。

 

親や先生にとって成熟社会は未知の世界。

だからこそ、自分の糧を得る手段として読書をする必要があり、教養を磨く必要がある。

 

ヨーロッパは国家が宗教を発動し、個人を紡いだ。

太平洋戦争で日本は国家が宗教を発動できなくなった。

若い人は携帯メールでつながっている。(今でいうとインスタなど?)

日本のような国では自分で宗教・その代替物を持たなければならない。

どう生きるかを決める時に本を読まないままでは無理。

 

読書を通じて知識をインプットしないと自分の意見は出てこない。

 

第1章 本を読むと、何が得か?

 

・パチンコをするかしないか

・ケータイゲームをするかしないか

・読書をするかしないか

パチンコをせず、ケータイゲームにはまらず、読書をするだけで「8人に1人の希少な人材になれる」

 

一流は1時間で100万を稼ぐ。

その根底にあるのは聴衆を満足させる知識。

その知識を得るために必ず本を読んでいる。

 

組織的な体験(テレビ・新聞・マスメディア・広告・学校・会社・家族)の時間が多くなると、前例を疑ったり、作りだされる空気に多面的に思考するのは難しくなる。

 

情報に踊らされないためには個人的な体験をする機会を多く持つしかない。

リアルな体験に越したことはない。

人の人生には限りがある。本は著者を通して「個人的でリアルな体験」を味わうことができる。

 

テレビでは次々と情報が送られてくるため情報のみを理解することで手一杯になる。

表層の理解にとどまる。

解像度が高いものを見れば人間のイマジネーションのレベルが下がる。

ラジオは声と音しか聴こえないメディア。リスナーは想像力を掻き立てられる。

読書は想像力を掻き立てるメディアであり、能動的に情報を取りに行くメディア。

 

自分のやりたいことを実現させるうえで大切なものは「集中力」「バランス感覚」。

どちらも読書で身につく。

バランス感覚とは世の中と自分との適切な距離感を保つことができる能力。

読書で世界観を広げることはバランス感覚を磨くことになる。

世の中は簡単に決められない問題ばかり。

両極端の視点を獲得するには本を読み比べることが肝要。

 

ひたすら本を読み続けても成長することはたぶんない。

遊び・芸術を体験することで初めて脳内に幾つもの回路ができ、知識や技術が豊かになっていく。

 

第2章 読書とは「他人の脳のかけら」を自分の脳につなげること

 

みんな一緒の正解はない。

1人1人が自ら納得する解を作り出すことができるか。

 

『半島を出よ』という本を読むことは村上龍さんがそれに傾けた人生を読むことにつながる。

 

異なる脳のかけらをくっつけることで自分の持っている脳では受容できなかったものが受容できるようになる。

脳の拡張につながる。

 

意図的に異質な回路をつくりだすことが受容体の形状や質を多様化させる。

簡単にいうと「乱読」。

 

本を読み「見方」を広げ、「味方」を増やすことで信任の量が増える。

結果的にあらゆる夢が実現しやすくなる。

 

第3章 読書は私の人生にこんなふうに役立った

 

子供がおもしろいと思うポイントは本の世界に自分自身投影できるかどうか。

 

見識は蓄積以外の何物でもない。

ある一定のラインを超えない限り、自分の意見を作り上げるほどのものにはならない。

 

人間には欠落している部分がある。

読書をすることで様々な人物の視点を獲得でき人生を鳥瞰図として見られるようになる。

 

人生の山は1つではない。

いくつもの連山を重ねて最後まで山づくりを繰り返すべき。

人生の後半に山並みを重ねようとおもったら、前半や中盤から仕事で登っている主峰とは違った裾野をつくっておく必要がある。

どんなコミュニティでもいい。(英語・トレ・読書)

コミュニティの中でコミュニケーションを充実させるためにも読書の蓄積が効いてくる。

 

300冊のブレイクスルー。年間100冊を3年。

藤原さんは300冊を超えたあたりから自分の中から言葉が溢れ出すようになった。

 

つながるための優秀な道具(SNS)が充実すればするほど人間が人間につながろうとする意欲やスキルをどんどん削いでしまう。

初対面で相手のどのようなインパクトを与えるかという演出に意識が向かなくなってしまう。

 

第4章 正解のない時代を切り拓く読書

 

成長社会では「情報処理能力」が求められた。

今は「情報編集力」。情報編集力は納得解を導き出す力。正解ではなく納得解。

 

情報編集力は5つのリテラシーと1つのスキルを磨くことで高めていくことが可能。

①コミュニケーション力:先入観を排除した乱読が重要

②ロジック力:読書で論理だけでなく論理の展開の仕方や分析手法も学べる。

③シミュレーション力:自然科学系やSF・推理小説がいい

 一般的に「勘がいい」という人はシミュレーションする力が高い。

④ロールプレイング力:ノンフィクションや伝記は他人の人生を体験できる物語。

 自分以外の人生も疑似体験できるのが読書。

⑤プレゼンテーション力:つなげる力が高まることはイマジネーションが豊かになることと同義

クリティカルシンキング:物事を多面的に捉える

自分の考えをブラッシュアップさせる作業は、多様な考えを持つ他者とのコミュニケーションや読書を通じてできる。

 

※読書だけをしていても情報編集力高められない。

予期せぬ出会いが重要。

「旅」に出ること。しかも全て自分で組み立てる旅。

予定調和ではない事態にあえて自分を追い込む。

自力で対処することで子供にとって遊びに代わる経験ができる。

 

200ページ前後に詰まった膨大な知識の塊が1500円で手に入ると考えれば投資効率は非常に高い。

 

第5章 本嫌いの人でも読書習慣が身につく方法

 

読む時期や自分の置かれた環境によって、本の受け止め方は変わる。

本には人それぞれ読むのにいいタイミングがある。

だからこそ、こだわりを捨てて乱読すべき。

 

その時代の流れに乗っている本を手に取りなぜ売れているか考えると、時代に流れる「意識のかけら」がくみ取れる。

 

良い本に出合うコツはない。

そもそも良い本とは定義できないはず。

鑑定眼を磨く方法は数に当たること。

(池上さんも言っていた。だから迷ったら買う。)

 

自分にとって良い本に出合う機会の絶対量は読書の量を重ねれば重ねるほど多くなる。

藤原さんは3000冊読んで300冊。

それでも損ではない。

無駄な本に出合わずに効率的に本を選ぶことは無理。

 

新しい視点を獲得したいなら自分には相場観のないジャンルや著者の本を手に取る。

相場観を持たない分野では効率もくそもない。

全く外れる可能性も大いに歓迎する。

そのリスクをとることでリターンが得られる。

大事なので改めて。

自分に必要な本と出合いたい人は「乱読」。

 

自分の言葉で自分流「かわら版」を出す。

そうすることで読書がもっと楽しくなる。

 

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読書の効能がこれでもかと書いてあるので読み方についても

もっと語ってほしかったが

冒頭に「好きにすればいい」と書いてあるのでしょうがない…

 

巻末にそれを推薦書50冊があるのでチャレンジしてみよう。

 

本を読む人だけが手にするもの

本を読む人だけが手にするもの

  • 作者:藤原 和博
  • 発売日: 2015/09/29
  • メディア: 単行本